浅草。東京の数ある名所の中でも確固たるポジションを確立している “THE 下町” 。
意外と行く機会に恵まれずになんやかんや今日に至る。僕にとっては、はじめての浅草観光。
行く宛てもなくブラブラするのは楽しみだが、天気が悪いのが少し残念...
本日、浅草を案内して頂くのは、岸英明さん。生まれも育ちも浅草だそうだ。よほどのことが無い限り浅草からは出ないとのこと。
普段は、アマチュア社交ダンサーをしているそうで、今夜(7/15?)の金スマにも出演するらしい。絶対見て下さいね、と言われ「ハイ」と答えてしまったが、金スマと社交ダンスに興味がない上に、家にテレビがない。申し訳ない...
物腰柔らかで、どちらかと言うと無口(シャイ?)な岸さんに連れられ、駅から少し歩く。
平日だというのに人が多いことに驚いた。観光客だろうか? 韓国人と中国人と日本人の見分けが全く出来ない僕は、道行くアジア人が地元民なのか観光客なのかテロリストなのか全く判断出来ない。少し歩くと、川が現れた。
都会の喧騒をあざ笑うかのように悠然と流れるのは、隅田川。後ろには、東京スカイツリーが見える。
東京スカイツリーの右側には、ビルの上に金色のウンコが乗っているのが見える。聞くと、地元民からも「ウンコビル」として親しまれているそうだが、これはアサヒビールがつくったオブジェだそうで、実は「炎」を表しているのだとか。アサヒビールという会社の、燃える心を象徴しているとのこと
過去、これほどまでに「ウンコ」に迫った「炎」の実例はなかっただろうと思う。ウンコと川と炎とツリーが、独特のハーモニーを奏で、景観を成している
駅の近くでは、人力車のチケットが売られていた。
人力車というと、引っ張るのはいぶし銀な髭面のオジさんというイメージを持っていたが、そこで客引きをしているのは爽やかイケメン達
なんと、人力車を引くアイドルとして、事務所に所属し、歌まで出しているそうだ。インスタグラムやTwitterでの活動にも余念が無いとのこと。不易流行。古い文化を大切にしながら、型にはまらずに新たな技術を取り入れていく姿勢に感銘を受けた。20分コースで乗車
人力車は、通常の自動車と同様、車道を爆走出来るということをご存知だろうか? カローラと並走すること4分、浅草演芸ホールに到着。
ここでは落語・漫才・手品などが楽しめるそうで、付近では芸人さん達がチケットを自ら売っていた。駅から少し離れているためか人通りは少なく、芸人さん達の叫ぶコンビ名「〜です!よろしくおねがいします!」だけが寂しく響いていた。それでも芸人さん達のテンションが下がることはない
サラリーマン達は予算や資料と戦っている頃だろうか。皆、なにかと戦っているんだ。
演芸ホールから少しあるくと、「捕鯨船」の看板が。ビートたけしがまだ売れない芸人だったころから通っているという有名店だ。
店の主人も元芸人だそうで、ビートたけしの先輩にあたる。今でも時々ビートたけしが訪れ、後輩芸人を飲ませてやってくれと言って店主に大金を預けるそうだ。飾ってある写真は、そうとう昔にとったもののようで、街全体のレトロな雰囲気をこれでもかという程に助長する。やり過ぎな店だ。やり過ぎな街だ。
少し歩くと、花やしきに到着。日本最古の遊園地。開園したのは1853年で、これはペリーの率いる艦船が、日本に来航した年である。
閑散とした平日の遊園地に、アトラクションが動いている気配は全くない。
あの真ん中のフリーホールがけっこう怖いんですよ、熊谷さん一緒に乗りますか? と岸さん。いや、絶叫系好きなんですけど、なんか錆びてて壊れそうじゃないですか?それが怖いですね。と強がった僕が、本当はただ絶叫系に怯えているだけのチキン野郎であることに気付いていただろうか?
駅に近づくように歩く。雷門。恐らく浅草で最も有名なスポットだろう。正式名称は、風神雷神門。
金曜日とは思えないほどの人の群れ。楽しげに写真を撮っている人が多いことから、大半が観光客であることが分かった。皆、他を押しのけるように提灯に近づく。どこの国から来たんだろうか。この提灯をみて、どう思うんだろうか。何かよくわからないけどスゴい!みたいな感じなんだろうか
提灯の重さは、700kg。メスのキリンより少し軽い
百貨店の松屋、浅草店。1~7階までのビル全体をテナントとして、1931年にオープンした。
なお、今ではビルの全てを使用しているわけではなく、1~3階が松屋のフロアとなっている。4階以上は2010年に手放しており、その後、2012年から「Ekimise」という名称で東武鉄道が活用。
松屋の苦戦が、国内の消費低迷を想起させる。
喫茶『アンヂェラス』
浅草を感じさせるレトロな外観。食べログの評価は3.55。太宰治が通っていたカフェとして観光名所となっているそう。しかしその真偽の程は甚だ怪しいようで、実は全くのデマであるとも言われている。
太宰治が通っていた場所であればそれは凄いし、本当は通っていなかったとなったらそれはそれで面白い。マスターも、したり顔だろう。
『駒形どぜう』本店。
店に足を踏み入れると、江戸時代にスリップしたかのような感覚に襲われる。1801年創業、200年以上続くどじょう料理店だ。
どじょう鍋を注文。「鍋」と聞いてイメージする一般的な鍋料理とは違い、深さのあまり無いプレート上で少量の液分によって煮込まれたどじょうが運ばれてくる。見た目とは裏腹に味の主張の少ないどじょうは、しかし薬味と一緒に食べると癖になる。ライスが進んだ。浅草に寄った際は、是非食べておきたい。
大通り。
人と、風情が、行き交う
商店街。皆が笑顔なのは、浅草だからなのか。
金曜日だからなのか。
メロンパンが有名なお店。
店主さんが爽やかだ。
ここでレンタサイクルができるそう。自転車で駆け抜けるのも、良いだろう。
涼しくなったら、また来たい。
そんな、街でした。
おしまい