スティーブ・ジョブズが凄いとかマイケル・サンデルが凄いとか、羽生が凄いとかメッシが凄いとか、身近な会社の中でもあの人が凄いとか、どこそこの部長は凄いとか色々聞くんですけど、正直やっぱマウンテンゴリラが一番凄いです
ご存知の通りマウンテンゴリラと言えば体長1.8mで体重200kg、握力は400kgで一日に30kgの草や葉を食べては5-6回のうんこをし、そのうんこを投げ付けたかと思えば夜はそのうんこの上で寝ます。手をグーにした状態で四足歩行をする、ナックルウォーキングが基本的な移動手段です。なお、昼、夜、プライベート、オフィシャル、パブリック、リパブリックを問わず、基本的に全裸です。レベルが違います。
レベルが、違います
まず明らかに、筋肉のレベルが違います。きんに君です
その上で、「うんこを投げ付ける」という時点で既にだいぶレベルが違いますが、
さらに「自分のうんこの上で寝る」というのは、これはもう、恐ろしくレベルが違います
我々の常識を超えています
思えば、どんな将棋の達人でも、たとえそれが羽生であろうとも、将棋をさしてくる相手の握力が400kgあった場合には、盤面の云々に関わらず速やかに投了するはずだと思うんです
どんなに有難い哲学の話をする先生も、喜んでうんこの上に寝転がる生命体を前にすれば、それらしい理論を振りかざして威張っていた自分がいかに愚かで惨めな存在かを痛感するはずです
どんなに経験と威厳のあるいぶし銀な管理職であっても、全身体毛だらけで全裸の新入社員が4月1日にナックルウォーキングで出社してきた場合には、さすがに、その新入社員にだけは敬語を使わざるを得ないと思うんです
我々がどんなにジャンケンのインターナショナルスタンダードを主張しようと、やはり彼らの繰り出してくる渾身のグーに、人間のパーが勝てる道理はないです
だからマウンテンゴリラは、幅広く、如何なる分野においても圧倒的に凄いです
もうここまで来ると、何が凄いとかではなくて、凄みの凄さが凄く凄いです
マウンテンゴリラが宇宙で一番凄いです
圧倒的なんです
たとえ5000人の軍隊が機関銃を使用して1匹のマウンテンゴリラを殺そうと試みたとしても、マウンテンゴリラは恐らくすぐ死にます
機関銃は凄いです
恐らく機関銃が一番凄いです
宇宙で一番凄いです
恐ろしいの一言につきます
ええ
機関銃を持った5000人の軍隊が戦場で飢餓に苦しみ、一杯のネギトロ丼を発見した場面を想像して下さい
たった一杯のネギトロ丼を奪い合って男達は殺し合い、辺りは血に染まり、そして5000体の屍の上に佇むのは、一杯のネギトロ丼ではないでしょうか
ネギトロ丼は凄いです
宇宙で一番凄いです
恐ろしいの一言につきます
昼に食っても旨いし夜に食っても旨い。戦場で食っても二日酔いで食っても旨いし、5食くらいであれば連続で食っても旨いです。ネギが多めの方が旨いですが、少なめでも旨いです。醤油はあった方がだいぶ旨いですが、なくても、オデンよりは旨いです。ネギトロ丼は本当に凄いです
圧倒的です
比類なき凄みです
もし、「今後の人生でネギトロ丼を食うことをやめれば、貴様を福山雅治の姿にしてやるがどうするか」と神様に聞かれれば、その場合はもう速やかにネギトロ丼をやめます一生食いません
ネギトロ丼とは、それ程の旨さ、それほどの凄さなのです
思えば、どんな将棋の達人だろうと、たとえその男の、駒を動かさんとする手の力すなわち握力が400kgであったとしても、その対戦相手がけたたましく醤油の滴る一杯のネギトロ丼だった場合には、やはり盤面の云々に関わらず言い様のない恐怖を感じ一目散に逃げ出すと思うのです
どれ程有難い哲学の教えも、ネギトロ丼の心に響くことがあるでしょうか。むしろ心を奪われるのは腹を空かせた哲学者の方です
「あなたの強みはなんですか」と迫った面接官がどんなにコワモテであったとしても、目の前に佇むリクルートスーツを身にまとったネギトロ丼が一言「あなたの、大好物でしょう?」と言ってきた場合には、もうそれは、どうしようも抗えないのです
このように、ネギトロ丼が一番凄いです。
そしてその恐るべしネギトロ丼を前にしても動じずに、ナックルウォーキングで丼に近づき、ものの7秒でお椀ごと平らげてしまうマウンテンゴリラが、
宇宙で一番凄いのです