最近、とても有難いことに、時々IT/web界隈の人達からブログ読んだよ飲みにこう!と誘ってもらえることがある。暇を持て余した暇人達の中でも特に暇人の僕は、満面の笑みでホイホイと飲みに出かけている
わざわざ時間を割いてこんな不毛なブログを読んでくれている ということは、その時点でやや偏屈でゲテモノ好きでスカトロ指向があり、反社会的で危険思想を持ち性犯罪者予備軍なんだろう という最低限の想定が出来るが、そういう人と会えるのは僕としては本当に嬉しい
しかし非常に残念なことに、毎度、僕がIT/web/ブログ関連の話に全くついていけず、悶々とした時間を過ごし、絶望の中に夜を終えることになってしまう。
相手にも絶望と落胆を与えているかもしれない 期待を裏切ってしまい、誠に申し訳ない
普段パソコンを全く触らないばかりか、テレビも10年近くまともに見ていないし、アプリでニュースを読むこともせず新聞もとらなければラジオも聞かない僕は、芸能人や有名人の名前は勿論全くと言って良い程分からないし、自慢ではないがこの日本に存在する殆ど全てのミーハーな話題に、全くついていくことが出来ない。ベッキーについて意見を求められるとパニックに陥り速やかに失禁してしまう傾向がある。
芸能関係にウトいだけならまだしも、政治や経済に関しても全くと言って良い程に知識が無い。何だかよく全く分からなくてピンとこないし、当然だが自分の意見なんてものは一切無いので、安倍政権について意見を求められるとパニックに陥り速やかに失禁をしてしまう傾向がある。え、じゃあ普段なにしてんの?と良く聞かれるが特段なにもしていない
色んな人を見て来たが、僕ほど徹底して興味の幅が狭い人は中々いないんじゃないか、と思う。その一点に関しては偏差値で80はかたい。さすがに少し自分に恐怖を感じている。
そして、その結果、様々な人とどのような話題でコミュニケーションを取れば良いのか、出会うやいなや何の話をすれば相手に違和感を与えないか迷い、常に軽いパニック状態に陥っており、人と目が合うやいなや速やかに失禁してしまう傾向がある
しかし数年前のある日、それなりの社会人経験を経て、様々な試行錯誤の結果、人様に出会って「こんにちは」と発表してから始めるべき、究極の普遍的な ”最初の話題" が1つあることに気付いた
天気の話である
「こんにちは、今日も寒いですね」
「いやあ、本当、寒い日が続きますね」
滑らかだ
にわかには信じ難い程、滑らかだ
何の違和感も無い。そして相手が巨乳だろうと、オジサンだろうと、巨乳のオジサンだろうと、誰に対してこれをブッ放しても全く違和感が無い
この最初のテーマ設定の適切さから、会話開始6秒時点で、ああKumagaiさんは結構常識があるな、非常に滑らかな人だな。うん滑らかなKumagaiさんだ、ナメガイさんだ 好きだ と思わせることが出来る
僕は、この天気の話から始める、万能の必殺業を、「クラウンチング・ウェザー・スタート」と呼び重宝してきた
しかし、この技を多様する中で、この秘奥義にはいくつかの問題点があることに気付いた。
問題点の1つは、「その後、全く話しが続かない」ということである。
天気というのは、「良い」とか「寒い」とか「雨が続く」 とかしかなくて、その後、会話は全くもって弾まない。
そして、「天気が良い」とか「最近冷え込んでいる」とかはもう、誰がどう客観的に考えても正しい事実以外の何ものでもなく、それをどちらかが発表した瞬間、天気というテーマの議論における、2人の間での最終結論が出たも同然なのだ
考えて欲しい
「最近、雨が続いていますね」 に対して
「わたしは、そうは思わない。なぜなら..」
と一旦相手の意見を否定し、自身は雨が降っているとは思っていない根拠を、論理的にプレップ法で発表したとしよう。
この瞬間、 あ この人たぶんキチガイだ
と相手は判断するだろう
つまり、クラウンチングウェザースタートだか何だか知らないが、そんなもので繋ぎ止められる時間など数秒、そもそもテーマとして盛り上がることが極めて困難なのである。
このクラウンチング・ウェザー・スタートがマズい点は他にもある。
複数回使うと不自然なのだ。
つまり初めましての時に「はじめまして、良い天気ですね」 という、これはまあ滑らかさを感じさせる
しかし2回目に会ったときにも、「こんにちは、良い天気ですね」で会話をスタートし
3回目に会ったときには、「こんにちは、良い天気ですね」で会話をスタート
4回目に会ったときに、「こんにちは、良い天気ですね」で会話をスタートし
5回目に会ったときに、「こんにちは、良い天気ですね」で会話をスタート してみて欲しい
恐らく、先方はあなたのことを、気象庁の人だと思うだろう
だいたい、毎回毎回天気について言及する事自体、なんか違和感がないだろうか
そんなに天気が気になるのか?いや、天気って、まあだいたいは晴れてるし、時々雨だし、まあ雨なら傘をさせばそれで終わり
そもそも、そんなに天気に興味を持っていること自体が怪しいとは言えないだろうか
そしてクラウンチング・ウェザー・スタートがマズい点の3つ目は、最も重要な問題だ
それは、この技が、既にあまりにも一般的であり、この技を使った瞬間「あ、でたでたクラウェザ。この人話すことが無いんだろうなぁ...」という印象を与えてしまうという点である。
「いやあ、冷え込んできましたね」と言えば、間違いなく相手は「そうですね、めっきり寒くなりましたねえ」と返すだろう
しかし、冷え込んでいることを発表した彼も、それに「めっきり」だけ付けてオウム返しした彼も、
何も考えていないどころか
違和感を感じているのである
もう、こうなってくると、滑らかになる為に使っていたこの話題は、もはや本末転倒であるという結論が得られると思う。
以上みてきたように、唯一の救いであったクラウンチング・ウェザー・スタートは、決して有効な作戦ではないことが証明されてしまった
ついに四面楚歌である。もう未来永劫、人には会いたくない。とにかく話すのが怖い。どなたか、有効な打開策をご教示頂けると幸いである..
P.S. 書きながら、クラウンチングウェザースタートは、その単語の中に「ウンチング」という、うんちのing系を内包していることを発見した。この、現在進行形の糞が、会話にどの程度の影響を与えるのかについては、現在研究中である。こちらについても、有効な見解があればご教示頂けると幸いだ